前ページ

ご存じの通り、2019年2月1日より、労働安全衛生規則の改正により墜落の危険性がある作業のうち、特に危険性の高い業務を行う労働者は、特別教育を受けることが義務付けられました。
この場合の 「特に危険性の高い業務」 というのが、高さが2m以上の作業床、手摺りや囲い等を設けることが困難な場所でフルハーネス型安全帯を使用して行う作業などの業務ということになります。
今回の改正により、安全帯の名称が 「墜落制止用器具」 に変更されるそうですが、墜落制止用器具として認められるものは、胴ベルト型とフルハーネス型らしいです。
形を見れば一目瞭然ですが、フルハーネス型は、墜落を制止する際に身体の荷重を肩、腰、腿など複数箇所で支持する構造になっていますので、従来の胴ベルトに比較すると、身体への負担が軽減され、内臓損傷などを防ぐことにも効果があると思われます。
そして、このフルハーネス型安全帯を使用するためには、「特別教育」 を受けなければならなくなったということですね。
墜落・転落による事故が、建設業に圧倒的に多いことを鑑みれば、フルハーネス型安全帯の登場は遅いくらいかもしれません。
今後は定められた規則に則り、特別教育を受けた作業員が、定められた安全策を講じて作業に当たることを徹底し、事故のない現場を実現してほしいと思います。

そういえば、よく最近のニュースで報じられているのは、屋根の雪下ろしをしていた高齢者が、屋根から落下して亡くなるというものですが、ちょっと前には、自主的に安全帯を付けていたにも関わらず、宙づり状態で発見され、結果的にお亡くなりになったというニュースもありました。
きっと安全帯といっても胴ベルトのようなものだったのではないかと思うと、救えるはずの命が救えなかったのだなあ、と残念さが募ります。
もちろん屋根の雪下ろしは危険なので、お勧めできませんが、そういう場合もフルハーネス型安全帯を使用して下さるといいですよね。

弊社においても、フルハーネス型安全帯使用のための特別教育に、職員が積極的に参加しているところです。記事にもある通り、特別教育の機会がそれほど多くないようですので、それが悩みの種ですね。

次ページ